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WHITE TIGER
第2章 Bump


ハルちゃん…?

ハルちゃんって…


「あ、それ私も思った!呼びやすくていいよね、ハルちゃんって!」




ハルちゃんって、それは…

洒落にならねぇ呼び方…だ。




「ね、ハルちゃん♪」






━━━━━ドクンッ














『ハルちゃん…』
















ふっと、耳の奥で舞の声が聞こえた気がした。

俺の耳にまだ残ってる、俺の名前を呼ぶ舞の甘く可愛い声が…



















━━━━━━━「だ、だめだっ!!」


「え…?」






それは…

その呼び方は…っ













いきなり大声を出した俺に驚いたような表情を浮かべるお姉さん達と

「ど、どうしたんだよ、永野…」

酔いが一気に冷めたかのような顔の宮野先輩。



「え?…あっ」

そんな周りの表情を見て、ハッと我に返った。

今、俺…

相当でっけぇ声を出したみたいだ。


「いきなり大声出して、びっくりしたわっ!」

「す、すいません…」

周りのお姉さん達もおろおろした表情を浮かべている。


「あ、あの…、"ちゃん"付けはどうも苦手で…。出来たら"ハル君"の方が嬉しいかなー、なんて」

「…んな事で大声で騒ぐなよー。ごめんねー、2人共~」

「い、いいえ。…私達こそ、何かごめんなさい」



…はぁ、最悪だ。

せっかく先輩が俺を気遣ってお姉さんを2人も付けてくれたのに、先輩に恥をかかすような事をしてしまった。

ましてや、女性に向かってこんな声を荒げるなんて、みっともない。

このお姉さん達は何も関係ないし何にも知らないのに。



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