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WHITE TIGER
第2章 Bump
あー…、明日は二日酔い決定だな。

とりあえず、帰ったら1回吐いとくか。

明日は休みだし休日出勤でもないし、やることもねぇからここで潰れても平気だけど。



…昔なら、週末は舞とショッピングしたっけ?

いつも俺が荷物持ちで、あいつの我が儘に付き合ったっけ。

荷物を持ってあたふたする俺の前を、ご機嫌の舞が子供みたいにはしゃいでる。

そんな思い出がふっと頭を過った。

この間から俺、ずっと舞の事を思い出してる。

マジで重症、ヤバいわ。



「あっ、ヨッシー。私呼ばれちゃったからちょっと行くね」

「えー、サクラちゃん行っちゃうの~!?」

「ごめんね~。また戻って来るから♪御馳走様。ハル君も御馳走様~」

「……はぃ」



俺の右隣に座っていたお姉さんが先輩と俺のグラスに自らのグラスを傾けてチンッという音が鳴った。

御馳走様の合図で別の席に移動する合図だ。

先輩は残念そうにサクラちゃんとかいうお姉さんとグラスを傾けたが、舞の事を思い出してた俺は心ここに在らず状態。

サクラちゃんの目も見ず俯いた状態で無愛想な返事と共にグラスを傾けた。

俺は先輩みたいな遊び上手にはなれないなとつくづく思う。



明日から週末。

舞はあの男と過ごすのだろう。

あの男の腕に抱かれて、あの甘い声であの男の名前を呼んでるのだろう。

どうしようもない現実の前で、どうしようもない妄想をして、馬鹿げた嫉妬をしてる。

まるで自分で自分を傷つけるかのように、過去の古傷の瘡蓋を抉ってる。



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