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第2章 Bump

しかし、いくら自問自答してもこの現実は変わらない。

俺がこんなんじゃ隣に付いてくれてる愛さんに申し訳ない。

何か…、俺も何か話題を振らなきゃと頭が焦る。

「あの…、愛さんは…、姉妹とかいます？」

「はい？」


咄嗟に出て来た話題は、何とも情けない質問だった。

必死で話題を考えて出て来た話題がこれかよ。

俺はまだ舞によく似たこの女性は舞の身内なんじゃないかという疑いが消えない。

いや、これは俺が酔ってるんじゃなくて誰に見比べて貰っても似てると断言してもらえるレベルだ。


でも、だからって、ストレートにこんな質問はねぇだろう…。


すると

「あー、もしかして、さっき言ってた"舞さん"と私が姉妹かもとか考えてるー？」

「えっ？…いや、あの…」

クスッと笑いながらしれっと俺の心を読んだかのような質問。

うわぁ、最悪だ。

もろバレじゃん…、恥ずかしいわ…。

目線を泳がせながらも、"もしかして"という思いが消えない。


「残念だけど、それないよ。どんだけ似てるか知らないけど多分本当に他人の空似」

「え…？何で…」

愛さんの口調はハッキリとそれを否定した。

それはまるで確信があるかのように。



「私は海外生まれの海外育ち。父親が転勤族だから海外に行くこともあったの。両親は完全な日本人だから家庭内では日本語で話してたし。今も両親は海外に住んでる。私だけが日本に戻ったの」

「あとね、私小さい頃に病気になってそん時に母親の骨髄を移植したんだ。あれって血縁者が1番適合する可能性があるんでしょ？だから、私の母親は実の血の繋がった母親って事でしょ？」