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WHITE TIGER
第1章 memory
年上の女性に可愛がられたい?

年下の女の子を甘やかす?


うーん、俺は別にどっちでもないような気が。

今給湯室で井戸端会議をしている女性の年齢がいくつかは知らないが、恋愛するのに年齢なんて然程気にしてないしなぁ。


「でもさぁ、ちょっと前に事務の鮎原さんが永野さんの事を飲みに誘ったみたいなんだけど、断られたらしいわよ」

「えっ?事務の鮎原さんって、あの読者モデル経験者のっ!?うちの男性社員の半分が狙ってるって言うあのロリータフェイスの子よね?去年新卒で入ったあの子よね?」

「うっそ!?あの子の誘いを断るなんて…、ほとんどの男性社員を敵に回すようなもんじゃない!」





事務の鮎原さん…?

…あー、そう言えば数ヶ月前にそんな名前の子から誘いがあったような気が。

確かその子の誘いを断った次の日ぐらいから同僚や先輩達から睨まれてたような気がした。

気のせいだと気にしないようにしてたが、それが原因だったのか…。

あの後周りで、俺が不感症だとか同性にしか興味がないんだとかB専だとか変な噂まで流れてたし。



はぁ、女性の噂話って怖ぇなぁ。

こうやって集まると隠れて女性同士でコソコソ、ヒソヒソ。

安易に変なことを口走ったらどこでどう漏れ広まるかわかったもんじゃない。

くわばらくわばら。


女性社員にバレないように物音を立てず、ゆっくり踵を返しその場から逃げるように立ち去ろうとしたその時だ。




「あーぁ、永野さんの彼女になる人ってどんな人なのかなぁ?羨ましい」

「でも、ちょっと前に彼女と同棲してるっていう噂があったんじゃなかった?」

「でも結局デマだったらしいわよ。女友達を部屋に上げただけって話でしょ?尾びれや背鰭がついて誰かが大袈裟に同棲って言っただけよ、きっと」









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