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剛 ing 舞依
第5章 剛くんと舞依
~伊澤家~

「舞依ちゃんだっけ?」
「ああ」
「昨日から言ってる舞依ちゃんて剛の彼女か?」
伊澤くんのお父さんは新聞から目を離さないまま訊いてきた
「どうもそうらしいのよ」
「舞依ちゃんてどんな娘だ?」
「舞依ちゃんね可愛らしい娘よ、真面目そうだし、剛にはもったいないような娘よ」
「へー、会ってみたいな、舞依ちゃん」
「今度舞依ちゃん、ウチでご飯を!」
「良いじゃないか、楽しみだ。俺も高校の頃を思い出すよ」
「あら、アナタ、高校時代は全くモテなかったんでしょ」
「誰がそんなこと…」
「義兄さんから聞いたのよ」
「それにしても剛の前で言わなくても…」
お父さんは一度畳んだ新聞を再び拡げながら呟く
「モテたかよりもさ、好きな人と一緒になったって事の方が大事じゃないかな」
「オイオイ、彼女ができたからって随分上から目線だなぁ剛」
っとこちらを見てから
お母さんと目が合って頬を緩ませた
「じゃあ大学時代を思い出してマリーの歌が聴きたくなったな」
「ツヨシのシャウトもね~」
「オイオイ、もうあの声は出ないぞ。コーラスで参加かな」
「い~いハモりだったわね~」
お父さんがツヨシでお母さんがマリー?
「久しぶりにカラオケに行こうか」
『良いわね!』
「剛も行こう!」
「いやいや、野暮は止めとくよ。二人で行っておいでよ」
「じゃあ今度舞依ちゃんも誘ってさ」

何か私達の事で伊澤くんの両親にも青春が甦ったみたいね
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