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エブリデイ
第3章 意識した瞬間から

「出る、とは? それは、つまり――射精?」


 相変わらずの無表情での質問。それに僕は、コクリと頷くしかなかった。認めてしまうのはとても恥ずかしいけど、ホントにそうなんだからやむを得ない。


「ふーん……私としては、さ。見よう見まねで、したことだけど。一応、感じてくれたんだね」


 寺井は、感心したように言う。


「そりゃりゃ、まあ……」


 半裸の女の子に股間を弄ばれ、感じない男なんていないはずだって、内心で僕は思った。童貞が故に、その加速が些か急激なのは否めないのだろうけども。

 とにかく、このまま――所謂イカされてしまうのは、やはり情けないことに違いなかった。

 だから当面はホッとしながらも、さてこれからどうしようかと考えている。

 しかし、寺井の方には、また別の感情が宿っていたらしく。それは僕の想いとは、まるで違っていた。


「じゃあ、せっかくだからさ」


「ん?」


 何が「せっかく」なのかと意図を探ると――

 寺井が口にしたのは、実に意外なセリフだった。


「一回、出してみようか」


「は?」


 僕は意味もわからずに、思わず顔をしかめている。

 すると、唖然とする僕の額を――


「まあ、楽にしなよ」


 そう言った寺井が、指先でトンと突いた。


「あ……」


 その拍子ふっと力を失うように、僕の身体が後方へ倒れる。

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