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エブリデイ
第3章 意識した瞬間から

 見つけは、したけれど……何種類かあるぞ、どれがいいの?

 サイズとか、あるのかな。だけどそもそも、自分のサイズがどうかなんて、他人と比べたことなんてないし……。

 値段が安いのは、何か心配? 露骨なイメージのパッケージは、やっぱ抵抗が……。


 その棚の周辺を何度か行き来して、僕は無意味な時間を過ごしていた。

 すると――


「ちょっと、失礼しまーす」


「――!?」


 店員が急に声をかけるものだから、僕は飛び上るほどビクリとする。

 どうやら僕がいつまでもレジへ来ないから、自分の作業をしようとしてるみたいで。明日発売(もう今日だけど)の雑誌の束を解くと、雑誌コーナーへと並べ始めた。

 僕と背中合わせの位置だから、邪魔だと思ってるのかもしれない。


「あ、すいません……」


 僕は聞こえないくらいの小声で言うと、そそくさと飲み物のコーナーの方に逃れてしまう。


 ああ、やっぱ、買いにくいよ……。


 思わぬ場所で新たなハードルを前に、僕は早くも心が折れそうになっていた。

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