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エブリデイ
第3章 意識した瞬間から

 左右の胸を、同じように揉んだ。

 右手と左手を――鏡に映したみたいに、逆の円を描いて揉んだ。

 とても単調で、とても芸のない動きだから、やや滑稽のようにも思う。

 けれど、他のやり方なんて知らない。だから愚直に、僕は寺井の胸を揉んだ。

 そうする内――少し強弱をつけまがら、グッと両胸を寄せ上げる。


「ん……」


 初めて、寺井が声を発した。

 それが僕を強く駆り立て、もっと声を出させたいと思わせる。


 それは、寄せた胸の――頂点に位置する。

 少し赤味がさした、ツンと尖った――乳首。


 それに触れたら、どうなるのだろう?


 僕はふと、そう思い。

 両手の中指と人差し指の間に――同じように、同時に。

 二つの乳首を――スッと微かに、挟みつけた。


「――――!」


 瞬間、寺井は何かを堪え――でも、堪え切れなかったのか。


 その肩口を、プルプルと震わせてゆく。

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