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先生と私
第7章 ガラスのコップ
瑛二からの電話は無視し続けた。子供の頃の身勝手さや、強引さの延長を続ける瑛二に私は腹立たしさを感じた。
先生から週に1-2度食事や泊りの誘いがあった。
激しく愛し合うこともあれば、映画を観たり、ただおしゃべりをして過ごすこともあった。一緒の時には、先生の腕の中で過ごした。
そしてほのかとも一緒に遊びに行く機会が増えた。何故かそこにはいつもリョウが一緒に付いて来た。リョウは会うたびに私の化粧や私服を勝手にチェックしては、ケチを付けてきた。
私は熱海の先生の自宅に誘われた。
「花火大会を見に来ませんか?お友達も一緒にどうぞ。」
先生は優しく微笑んだ。
ほのかとリョウを誘い、花火大会のある8月に合わせた。私は2週間休みを貰った。先生の自宅にお邪魔するのは初めてだった。
ほのかとリョウは途中から現地集合だ。
私は先生と一緒に熱海へと新幹線で向かった。1時間ほどの旅だったが快適だった。先生は私の隣で本を読み、私はクラッシックを聞きながら、窓の外を眺めた。
町から少し離れているので、ピアノはいつ弾いても良いし、海は徒歩で10分程のところにあり、ゆっくり出来ますよと先生は言った。
熱海は、家族旅行で何度か来たことがあるがそれ以来だった。風情のあった駅だったと印象があるが、今はすっかり綺麗になっていた。
「迎えが来ています。」
見ると黒のレクサスが止まっていた。近づくと運転席から老人が出てきて、おかえりなさいませ お坊ちゃまと、先生の事を呼んだ。先生からの荷物を受け取った。
…お坊ちゃま。
ミナカタさんは父の時代から運転手をして貰っているので、この歳になってもそう呼ばれてしまうんです。先生は苦笑いをした。
「ケイスケお坊ちゃまは、私にとっては、“お坊ちゃま”でございますから。」
先生はほらね…という顔をしておどけて見せた。私は笑った。南方は私の顔をちらりとバックミラーで見た。南方は無言で郊外へと車を走らせた。
先生から週に1-2度食事や泊りの誘いがあった。
激しく愛し合うこともあれば、映画を観たり、ただおしゃべりをして過ごすこともあった。一緒の時には、先生の腕の中で過ごした。
そしてほのかとも一緒に遊びに行く機会が増えた。何故かそこにはいつもリョウが一緒に付いて来た。リョウは会うたびに私の化粧や私服を勝手にチェックしては、ケチを付けてきた。
私は熱海の先生の自宅に誘われた。
「花火大会を見に来ませんか?お友達も一緒にどうぞ。」
先生は優しく微笑んだ。
ほのかとリョウを誘い、花火大会のある8月に合わせた。私は2週間休みを貰った。先生の自宅にお邪魔するのは初めてだった。
ほのかとリョウは途中から現地集合だ。
私は先生と一緒に熱海へと新幹線で向かった。1時間ほどの旅だったが快適だった。先生は私の隣で本を読み、私はクラッシックを聞きながら、窓の外を眺めた。
町から少し離れているので、ピアノはいつ弾いても良いし、海は徒歩で10分程のところにあり、ゆっくり出来ますよと先生は言った。
熱海は、家族旅行で何度か来たことがあるがそれ以来だった。風情のあった駅だったと印象があるが、今はすっかり綺麗になっていた。
「迎えが来ています。」
見ると黒のレクサスが止まっていた。近づくと運転席から老人が出てきて、おかえりなさいませ お坊ちゃまと、先生の事を呼んだ。先生からの荷物を受け取った。
…お坊ちゃま。
ミナカタさんは父の時代から運転手をして貰っているので、この歳になってもそう呼ばれてしまうんです。先生は苦笑いをした。
「ケイスケお坊ちゃまは、私にとっては、“お坊ちゃま”でございますから。」
先生はほらね…という顔をしておどけて見せた。私は笑った。南方は私の顔をちらりとバックミラーで見た。南方は無言で郊外へと車を走らせた。