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第8章 誠一の嘘。

早く子供をと父親や周りから言われて……
会話する余裕がなくてもセックスだけは毎日していた。
だけどもちろん義務的で――
俺も、紗英も、気持ちがいいものではなかったと思う。
だけど中々子供ができなくて――



『誠一、あの、大事な話があるんだけどいい？』



『どうした？』



『お義母様がいい病院を紹介してくださって行ってきたんだけど……私子供ができにくい体みたいなの。』



『……え？』



『ごめんなさい……だけど私治療頑張るし何でも頑張るから！』



このとき、俺が気が付いていればよかったんだ。
紗英は……周りからのプレッシャーで子供のことだけしか見えていなくて
紗英からセックスをせがむようになってきた。