作者ページ

蒼井シリウスさんの日記

官能ベリーショートショート その50
[作成日] 2021-03-04 21:43:05
Even if

もう君の中には俺の感触は残っていないのだろうか?
あの男の方が俺のよりいいのだろうか?
君はあのときのことは「酔っていたの、ちょっとした気の迷い、忘れて、今まで通り友達でいましょ」と笑って言ったきり、二度と口にすることはなかった。
でも俺は、あの日の夜のことは忘れられない。
あんなに情熱的に愛し合ったのに。
唇が腫れ上がるほどキスをし合い、ふやけるほどお互いのものを口に含み、君は何度の俺の名を呼び、そして最後に「今日は大丈夫だから、ヒロト君のが中に、中に欲しい!」と叫んだ。
俺は君が望む通り君の中で果てた。
そして同時に君も絶頂に達した。
あんなにも身体の相性が人は君が初めてだった。
君もそうだと思っていた。
でもあれ以来、講義でも俺から離れて座るようになったし、サークルの飲み会でも俺の近くには来ようとしなくなった。
何があったというのだろう?
そしてあの日から一ヶ月後、君の突然の退学と婚約の発表。
相手はどこかの会社の社長の息子だとの噂だった。
君の誰ともなく、さりげなく見せる薬指の大きなダイヤの指輪に、顔も知らない男と抱き合う君の姿が思い浮かんだ。
その男は俺より身体の相性がいいのだろうか?
いや、そんなはずはない。
初めてのセックスなのに、中に出させる相手なんてそうはいないはずだ。
あれは俺とだからだ。
俺と君は本当に愛し合ったんだ。
あれ以上の愛の形なんて存在しない。
君は多分、何かの理由で愛よりお金を選んだんだ。
でも、いいかい、それは間違っている。
そんな関係は長続きしない。
心底愛し合った相手と結婚するのが本当の幸せなんだ。
その相手は俺なんだ。
今君は薬で眠ってるけど、目が覚めれば分かる。
ほら、これが俺なんだよ。
君があのとき懇願した俺のもの。
俺とのことを思い出せば、もうあいつのことなど取るに足らなくなる。
ほら、あのときのこと、思い出すだろ?
もう一度してあげるよ。
キスしながらいくよ。
これが君の幸せだ。
俺も同じだ。
いいかい?
いくよ。
いく。
いくっ!
くうぅっ……。
目が覚めたら、もう一度してあげるね。
大丈夫。
安心して。
君は誤解してるんだ。
本当の愛の意味を。
これが本当の愛だ。
今度、もう君が忘れないように、君からあふれ出る俺の愛の証を撮っておくよ。
君の婚約者も分かってくれるはずだ。

日記へのコメント

まだコメントはありません

ユーザーメニュー

無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ