『残された理由』
「やっぱりお前は連れていけない……」
パパがぼくの頭を優しく撫でた。
「ごめんね、マサル、元気でね」
ママが泣きながら、ぼくの頬を撫で、そして抱きしめた。
「なんで、どこ行くの? ぼくも連れてってよ」
「お前はだめだ! お前はここに残りなさい! ミカ行くよ……」
パパは妹のミカの手を取ると歩き出した。
ママもミカと手をつないだ。
「おにいちゃん、じゃあね……」
ミカはそう言ったあとに、うれしそうに二人を交互に見上げた。
「え、ミカも? ぼくは? みんなどこ行くの?」
三人はぼくに背を向けて歩き出した。
「おいてかないでよ! ぼくも連れっていってよ!」
パパが振り向いた。
「だめなんだマサル……あとはケンジおじさんがお前の面倒をみてくる、いいな、言うことをきくんだぞ……でも、マサルお前なら大丈夫だ……」
三人はまた歩き出した。
「待ってよ~、なんでだよ~ 置いてかないでよ~、今度、いい子にするから、ぼくをひとりにしないでよ~」
ぼくは三人を追いかけようとした。
でも、体が思うように動かなかった。
「待ってよ~」
どんどん遠ざかる。
ぼくは腕を伸ばそうとした。
でも腕も重くて上がらなかった。
「ぼくをひとりにしないでよ~」
ぼくはやっと手を上げることができた。
もう三人は見えなくなっていた。
「先生、男の子の意識が戻りました!」
女の人の声が聞こえた。
「車に乗っていた他の三人はだめだったそうです……今連絡が入りました」
違う女の人の声だ。
ぼくは目を開けた。
男のお医者さんがぼくをのぞきこんでいた。
そのわきで、ケンジおじさんが心配そうな顔をして立っていた。
完
すみません、ベタなオチで……。
作者ページ
蒼井シリウスさんの日記
ベリーショートショート その5
[作成日] 2014-03-01 12:00:37
日記へのコメント
今日は仕事なので。
仕事のときしか、ここには書かないので(笑)
うっ、ハードルが高くなった……。
でも、逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ……。
仕事のときしか、ここには書かないので(笑)
うっ、ハードルが高くなった……。
でも、逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ……。
なにも、そんなに入り込まなくても……。
じゃ、つぎ『ヱヴァ』いきま~す(笑)
じゃ、つぎ『ヱヴァ』いきま~す(笑)
(;_;)
悲しい週末になりそうです(笑)
悲しい週末になりそうです(笑)