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蒼井シリウスさんの日記

小噺集 その42
[作成日] 2014-06-28 07:45:25
『バカップル』その1

夏祭りの夜だった。
金魚すくいの出店を覗いてみると、浴衣姿のカップルの会話が聞こえてきた。
女が金魚すくいをやっていて、男はそれを隣りで見ていた。

男「ほら、そこ、そこ」

女「あんっ、やぶれちゃった……もうっ、一匹もすくえなかったわ……」

男「大丈夫だよ、金魚はすくえなかったけど、君の無邪気な笑顔に俺の心はすくわれたよ……」

女「(///∇///)」

えーと、金魚と一緒に泳がせていいですか?






『バカップル』その2

海水浴場だった。
前に水着姿のカップルがいた。
女は男の手を引いて立ち上がらせようとしていた。

女「ねえ、一緒に泳ぎましょうよ」

男「だめなんだ……」

女「なにが?」

男「怖いんだ……もう溺れるのはこりごりなんだ」

女「え、もしかして、カナヅチなの?」

男「いや、そうじゃないんだ、もうすでに溺れてしまってるんだ……君に……」

女「(///∇///)」

えーと、カナヅチでスイカ割り始めていいですか?




『バカップル』その3

日曜日の夕方だった。
街で、前を歩いているカップルの会話が聞こえてきた。
男は腕時計をしきりに見ていた。
女はそれを見て面白くない様子だった。

女「ねえ、さっきから時間ばっかり気にしてるけど、なんなの? せっかくの休みなのに……」

男「ちぇ、おっかしいな……」

女「どうしたの?」

男「また腕時計壊れたみたいなんだ、いつもはこんなことならないのに……君といるといつもこうなんだ……」

女「え、なんで……そんな言い方、ひどいわ……」

男「どうしてだろう? 君といると、時計が早回りして、時間があっという間に過ぎるんだ……」

女「(///∇///)」

えーと、時空のかなたに蹴っていいですか?




『バカップル』その4

花火大会の夜だった。
前で、花火を見上げている浴衣姿のカップルの会話が聞こえてきた。

女「わあ~! きれ~い!」

男「もういいよ、行こう……」

女「え、何で? 今始まったばかりだよ」

男「あの花火は、君のきれいな横顔を輝かせるための導火線の役目でしかないよ、そして君のその横顔は、俺の大砲の導火線に火をつけてしまった、行こう、静かなところへ……」

女「(///∇///)」

えーと、消火器で消火訓練していいですか?

日記へのコメント

そうなんです。

いつもそうゆうカップルの後ろになってしまうんです(笑)
[投稿者]蒼井シリウスさん [投稿日]2014-06-28 14:07:20

上手い!
座ぶとん十枚!

でも…これって、作者様の実体験談みたいですね…

ノンフィクションなのでは?

[投稿者]カリンズさん [投稿日]2014-06-28 13:17:42

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