私は小説を構成する文章を、動きを軸として、四つの役割に分類しました。
1、動きの描写
2、その動きの説明
3、その動きの結果
4、その結果を受けての心情
乱暴な話、小説はこの四つの要素の繰り返しだけで書けます。
もちろん、序盤は、場面の設定等を説明しなければなりませんが、その時は静的な情景描写として別に書いてもいいですが、この四つの要素の中に取り込むことも可能です。
タケシは朝日が差す道を、駅へと急いだ。
こんなに走ったのは、高校で部活を辞めてから初めてだ。
もうあれから五年も経つ。
腕時計をもう一度見た。
針は7時30分を指していた。
タカシは慌てて走るスピードを上げた。
なんてこった! 出社初日から遅刻なんて。
という風に、動きの中に設状況定を紛れ込ませることが出来ます。
無理は、ないと思います。
逆にその方が、読者は自然と物語に入っていけるでしょう。
好みの問題ですが、私は設定をそのまま説明することに疑問を感じます。
時刻は朝の7時30分。
タカシは今年22歳だ。
大学を卒業して就職した会社への、今日が初出勤だった。
しかし、タカシは寝坊したのだ。
これは、無機質で押しつけがましく感じます。
でも、たまに面倒臭くてやってしまいますが(笑)
話しがそれましたが、この四つの要素の発見に要素にたどり着いたのは、他ならぬ、自分の書いた小説を分析してみたからです。
私は小説を、その場その場のインスピレーションで書いていると言いました。
でも、人には“癖”があるのです。
私は、“感覚的”に書いてる自分の小説が、自分の知らない何らかの癖、ルールに則って書かれていると推測してみたのです。
ですから、皆がこのルールにあてはまるわけではないことを、予めご了承ください。
私は短文派です。
一文を短く簡潔に書くように心がけています。
一文にあまり多くを詰め込まない傾向にあります。
一文一意味。
それが良いことなのか、悪いことなのか分かりません。
多分これも好みの問題です。
でも、そうだからこそ、文ごとに分類できたのかもしれません。
いままで、いろんな作家の文章を分解、分析して、何らかのルールがあるのではないかと探ってきましたが、今だ見つけることはできませんでした。
だったら自分のは?
と、分析してみたのです。
つづく……。
作者ページ
蒼井シリウスさんの日記
シリウスの小説執筆方法論 第5回
[作成日] 2014-10-04 23:03:11