『ドリンク剤』
大学受験を前に、インフルエンザで学校を休んで3日目、徐々に体調が戻って来た時だった。
テレビでイチローの、ドリンク剤のCMが流れた。
「風邪で弱った体に……」
とか言っていたので、隣で観ていた母親に
「母ちゃん、俺にもなんか高いドリンク剤買ってきて。近くのコンビニでも売ってるから」
と頼んだ。
「しょうがないわね……」
母親が帰ってきた。
「ほら、高いやつ買ってきたわよ。お父さんが『これ効くわ』って言って、いつも飲んでるやつ」
母親が差し出す物を見た。
『凄十』だった……。
(いや、母ちゃん、違うから、これ、効用が違うから……てか、まだしてるのか……)
完
作者ページ
蒼井シリウスさんの日記
小噺集 その54
[作成日] 2014-12-26 08:58:37
日記へのコメント
“ブラックなオチ”ではないという意味で“気持ちいい”のですね?(笑)
小噺は、小説以上に顕著に“自分が面白い”と思うものしか発表出来ないので、100%作者のセンスが問われます。
ですから、ある意味小説より評価が怖い(笑)
でもめげずに頑張ります。
小噺は、小説以上に顕著に“自分が面白い”と思うものしか発表出来ないので、100%作者のセンスが問われます。
ですから、ある意味小説より評価が怖い(笑)
でもめげずに頑張ります。
弱った身体に、追い打ちをかける母…親の秘め事は知りたくないですねぇ〜
今回の『小噺』はスルッと読めて『気持ちいい』でございました。座布団2枚でございます。
(上目線で失礼いたしましたm(__)m)
今回の『小噺』はスルッと読めて『気持ちいい』でございました。座布団2枚でございます。
(上目線で失礼いたしましたm(__)m)