あの事件は『偉そうな女が、ナッツを袋のまま出されたことに怒り、飛行機を引き返させた』と要約出来ます。
まずは、これをどんな“事象”として捉えるかです。
『一人の女の言動が飛行機を引き返させた』
『ナッツのせいで飛行機が引き返させられた』
『ナッツを袋のまま出したせいで大事になった』
色々な見方が出来ますが、この事件の突飛さは『ナッツを袋のまま出したことに激怒した』になると思うのです。
これをイジることにしました。
違う場面で、ナッツを袋のまま出したらどうだろう?
もしくは、いつもは袋のまま出しているのに、今回は袋から出してみたら……?
スナックで、いつも袋のまま出されるナッツが、袋から出されたら……。
男「おや、今日は袋のままじゃなくて、皿に乗って出てきたね。どうしたんだい?」
ママ「だって“ナッツリターン”されると困るもの」
はい、これ、第一稿です(笑)
これ、酔っていて、綺麗なママに言われたらウケます。
でも、文章だと微妙です。
でも、なんとなく方向性が見えてきました。
じゃあナッツじゃなくて、他に、袋のまま出すか出さないかで、怒られるものはないか、と考えました。
プラス、エッチっぽい方向で……。
真っ先に浮かんだのは“コンドーム”でした。
ん! これはいいかも!
A「この前、袋のまま彼女に差し出したら、怒って帰っちゃったんだよ」
B「はは、ナッツリターン事件みたいだな。ところで、何を袋のまま彼女にやったんだい?」
A「コンドーム」
はい、これ、第二稿です(笑)
でも、これ、しばらくイジリました。
場面を変え、人物を変え……でもどれもしっくりきませんでした。
怒る理由がイマイチなのです。
この時点で、私の頭の中は『袋から出すか出さないかで、反応が違うものは何か?』に絞られました。
で、ふと“ある袋”に辿りついたのです。
そう、男性が持っている“袋”です。
これ、まさに、袋の中身をどちらが出すかで、全然違った反応になるはずです!
これしかない!
出来ました……。
やっと満足いくものが出来たのです……。
長い道のりでした……。
ええ、私は、あれで満足です……。
皆さんもこの方法で試してみて、満足いくものが出来たときの、達成感を味わってみて下さい。
では……。
「それより、小説で達成感を得ろよ」
はい、ごもっともです……。
作者ページ
蒼井シリウスさんの日記
小噺の作り方 第2回
[作成日] 2015-01-17 16:35:07