今回は『セリフ』について最近聞きかじった「なるほど!」と思った内容を紹介します。
セリフのうまい使い方とは、どうゆうことでしょうか?
例えば
「飛ばねえ豚はただの豚だ」
こうゆう格言めいたセリフが多いと、かっこいい感じがして、自分も考えて見ようかな、と思ったりします。
でも登場人物全員が毎回話す度に、こんな“決めセリフ”だけをしゃっべたのでは、読む方も疲れてしまいそうです。
これは“うまいセリフ”であって“セリフの使い方がうまい”のではないのです。
セリフにはその内容によって種類があります。
それを使い分けると、人物、ひいては物語自体を生き生きと描けることにつながります。
『嘘セリフ』
「あんたなんか大っ嫌い!」
普通、セリフは人物の思っていることを口に出したものだ、と思われますが、心情とは反対のことを言わせ、相手と駆け引きしたり、言った人物の心理描写を補足すると、より物語を面白くできます。
『過去がわかるセリフ』
「へえ、あなたから誘ってくれるなんて珍しいわね」
この一文だけで、今までの二人の過去を説明しなくても、ある程度イメージできます。
こうゆうやり取りで進めると、くどくど地の文で状況説明するよりも、謎を保ったままスピーディにストーリーを進めることができます。
『比喩セリフ』
「味はともかく、長靴いっぱい食べたいよ」
これは、腹が減ってることを、ストレートに表現しないで、違うことに例えて言ってます。「うれしい」「悲しい」をそのまま口にしたのでは芸がありません。それを違う形で示すのがセンスです。これは地の文にも言えることです。
『説明セリフ』
「聞かねえ名だなぁ、カリオストロ公国たぁ」
「人口3500、世界で一番小さな国連加盟国だよ」
地の文で説明しないで、登場人物に教えるようにして、読者に情報を提示するテクニックです。
でもあんまり説明しすぎると稚拙な印象を受けます。
以上何種類か紹介しましたが、思うに、これらの使い方は、なるべく“地の文でストレートに長く説明しない”ことが目的のようです。
やはり、地の文での人物、状況説明が長いと、物語が停滞しますし、読んでいても面白くありません。
地の文はなるべく“描写”に比重を置きたいものです。
これから書く方の参考になれば幸いです。
作者ページ
蒼井シリウスさんの日記
シリウスの小説執筆方法論 第10回
[作成日] 2015-01-19 14:20:01