『カップラーメン』
私が小さい頃の話だ。
私は学校から帰り、おやつ代わりにカップラーメンを一人で食べていた時だった。
80歳になる祖父が話しかけてきた。
「それうまいか?」
「うまいよ」
「どうやって作るんだ?」
私は年老いた祖父にもわかるように丁寧に説明した。
「ふたを開けて、中に入っている粉末のスープを入れて、お湯を注いで、3分くらいで食べれるんだ、簡単だろ?」
「そうか」
次の日、学校から家に帰ると、祖父はさっそくカップラーメンをすすっていたが、私の顔を見るなりしかめっ面をして言った。
「これ、まずいな」
祖父の食べていたのは四角くて平べったい形をしていた。
(うん、その食べ方はまずいと思う……じいちゃん……)
完
『交換条件』
私が小さい頃の話だ。
同級生の友達に妹が生まれた。
見せてもらったけど、すごくかわいかった。
私も欲しくなって、夕食のときに両親に言った。
「わたしも妹が欲しいな」
両親は口をそろえて言った。
「だったら早く寝なさい」
完
作者ページ
蒼井シリウスさんの日記
小噺集 その4
[作成日] 2014-01-11 14:07:01
日記へのコメント
いまさん、ありがとう。
お褒めの言葉として受け取っておきます(笑)
お褒めの言葉として受け取っておきます(笑)
面白いです(≧〜≦))!
私も『礼節の交わり』読みましたが、同じ方がこのお噺を考えていらっしゃるなんてびっくりです!
蒼井さんはギャグでも行けるのではないでしょうか?
私も『礼節の交わり』読みましたが、同じ方がこのお噺を考えていらっしゃるなんてびっくりです!
蒼井さんはギャグでも行けるのではないでしょうか?
考えるの面白いんだけど、うぅ……これやってると本業の官能の方がおろそかに……(笑)