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永井 遥樹さんの日記

続•妖しく哀しい彼女
[作成日] 2016-09-27 20:42:37



だがどんなに走ってもなかなか前に進めない

その間にも少女は遥樹に迫ってくる



遥樹は意を決してその相手と向き合った

相手も生身の人間のはずなのだから、何も怖れることはない

ーーーと、自分に言い聞かせる



「わぁぁぁぁ!」



遥樹は叫びながら飛びかかってきた彼女の腕を捕らえた

二人はもつれ合い、そのまま坂を転がり落ちてゆく



"ヤバい、このままだと階段に……!"



そうなったら二人揃って奈落行きだ

遥樹は歯を食い縛り、足を踏ん張った

階段から落ちるすんでのところで彼女の腕を引き寄せ抱き止める



「ハァ…ハァ……」



やはり生身の人間だった

確かな感触がある

その顔も明かりに照らされ、今ははっきりと見えるーーー



「カ、レン……!?」



彼の腕の中にいたのは、小学校時代の同級生、一ノ瀬カレンだった

卒業以来会っていないはずなのに、何故かすぐに分かった

彼女は遥樹に向かって切なげな笑みを浮かべている



「ごめん、どこか怪我した?」



カレンは首を横に振る



「私、自転車で……」

「……?」



遥樹はとりあえずカレンを彼女が投げ出した鞄の所まで運ぼうとお姫様抱っこのままに立ち上がった



「永井くん、背、伸びたね……」



そりゃあ小学校以来だからな



「そっちじゃないよ。だから言ったでしょ、私自転車だったって」

「え、でもお前歩いて……」



鞄と、自分が手放した自転車の間くらいまで歩いた時、遥樹はハッとした

自転車がーーーライトを点滅させながら、ゆっくりとだが坂を下りている気がする

バランスも崩さずに。



「カレン、お前……」



衝撃を受けた顔で彼女を見ると、もっと驚くべきことが起こっていた



カレンが、透けている



「おい、待てよ……」



カレンは、死んだのだ

既に死んでいたのだ



「待てよ! まだ! 逝くな!」



消えかかる彼女の目から涙が溢れ出す



「俺が傍にいるから! まだ何も聞いてない! まだ何も……」



手から彼女の背中の感触が喪われてゆく

そしてカレンはーーー消えた





******************************



妖しいというか、普通に怖かったです。

起きたら大量に寝汗かいてました(笑


日記へのコメント




弓月様、コメントありがとうございます(*´∇`)



起きてから自分でも「何カッコつけてんだ」ってツッコミました(笑)

マンガの読みすぎか、小説のこと考え過ぎなのかな^ロ^;



[投稿者]永井 遥樹さん [投稿日]2016-09-28 18:34:01

本当に、そのまま小説になりそうな夢ですね。

とっさにそんなセリフが出てくる遥樹さんもまたすごいです(゜〇゜;)

[投稿者]弓月 舞さん [投稿日]2016-09-28 02:58:12

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