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蒼井シリウスさんの日記

官能ショートショート その1 『デジタル腕時計』 後編
[作成日] 2017-08-01 19:49:25
始めは嫌だったのに、あのひとから抱かれるたびに、変な気持ちになった。
初めての感触……。
あのひとはあたいの口を吸い、乳首を舐め、そして、あたいの恥ずかしいところも、舐めた。
きたない、やめてくれ、と言うと
「汚くなんかない、お前のここはすごくきれいだ……」
そう何度も褒めた。
ああ、今思い出しても胸が締め付けられて、体の奥から何かが湧き出てくるような気がする。
あの人の男の物が、あたいの中に入って来る。
熱く、硬いあのひとの物。
あたいの体の奥を何度も突く。
「ああっ、お前のここの具合も最高だ……」
耳元でそう言われながらながら激しく何度も突かれた。
ああ……もう……あたいは何も考えられなくなる。
声を出さないように歯を食いしばり、無我夢中であのひとにしがみついた。
あのひとが唸り声を上げ、あたいの中で、あのひとの物がびくんびくんと動くとき、頭の中が真っ白になった。
目が覚めると、あのひとの腕枕の中だった。
「なあ、千歳。明後日の朝、ここを抜け出そう。お前と今すぐにでも祝言をあげてえ。ただ俺は後で使いの者にここの宿代をもって来させるつもりだったから、今持ち合わせがねえ。お前、ちょとは溜め込んでねえか? それを貸してくれ。なあに、東京に帰れば、なんも金の心配はいらねえ」
二年間女将さんに隠れて溜めたお金があった。
「あんさん、本当にあたいを嫁さんにしてくれるの?」
あのひとの目を見つめた。
「ああ、俺は嘘は言わねえ。そうだ、これは俺が大事にしている高価な腕時計だ。その証拠にお前にくれてやる」
そう言ってあのひとはそれをあたいの腕にはめた。
「急に、お前を嫁にもらう、なんて女将に言ったら許してはもらえねえだろう。だからお前は明日の晩こっそり抜け出して、隣町の駅で待ってろ。俺は宿代を払ったら、おっつけ駅に向かう。そこで落ち合おう。なあに、そのあと東京から女将に手紙と一緒に支度金を送れば、女将もしまいには喜ぶだろう。な、そうしよう」
あたいはうなずいた。
腕の時計を見た。
『659……』
もやの向こうから、バスが砂利を踏む音が聞こえる。
バスがあたいの前で停まった。
バスに乗り込む。
眠そうな顔の中年の運転手に「隣町の駅まで」と、言った。
運転手はうなずくと腕を上げて腕時計を見た。
それはあたいの腕にある時計と同じに見えた。

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