放課後の教室で、その日の体育祭のことを思い出していた。
ひどい失敗をして、それが悲しくて悔しくて切なくて、やりきれない気持ちになった。そうしたら、あまり話したことはないけど、よく人に優しくしている異性の同級生が来て、そっと肩に手を置いてくれた。
それをキッカケにして、こらえていた涙が溢れて溢れて止まらなくなった。一通り泣いて落ち着いたころ、肩を触っていた同級生が言ってくれたんだ。
「頑張ってるところ、ちゃんと見てたよ」
それでまた涙が止まらなくなった。
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おそらく、大半の方が「異性」の部分をイケメンか美少女として読まれたのではないでしょうか。これが行間に宿る魔物です。分からなくても支障がない部分は、自分の都合のいいイメージで埋めてしまうんです。
試しに、異性の部分を、自分の好みではない見た目の人に置き換えてもう1度読んでみていただきたいと思います。全然イメージが違ってくるはずです。下手したら通報レベルの情景になるはず……。
作者ページ
桔梗ヶ原常彦さんの日記
行間に宿る魔物
[作成日] 2017-08-06 23:48:22