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古民家
古民家に入ると、冷んやりとした空気が漂い、
家の中は時が止まっているように感じる。

冷たい空気が鼻をくすぐる。

土間から障子戸を開け、座敷にあがると
足の裏が冷んやりとする。

歩く毎に床が軋む音がする。

家に入ってきたよそ者をこの家は静かに見つめているのを感じる。

奥座敷の襖を開けると張り詰めた緊張した空気がピンと張っている。

空気を乱さないように、ゆっくり優しく奥座敷を歩く。

幾つもの気配が私を覆う。

冷たい気、生温かい気…

そして、土間の台所に行き釜戸を覗く。
冷たい暗い釜戸だ。

薪を釜戸に入れ、火を付ける。
なかなかうまく火が回らない。

焦らずゆっくりと火を薪に回す。
パチパチと音がし始め、火の勢いが強くなる。

南部鉄瓶に水を張り、釜戸に置く。

そして、重い雨戸を開けてまわる。

家に光が差し込み、風が通る。

冷たい重い空気が、暖かく優しい空気に変わっていく。



古い家って何か気配を感じませんか?
昔からその家を守り住み着いていた「気」が漂っていますよね。

家に来た客人をジッと見つめています。



子供の頃、古い大きな家に行った時、
気配を感じていました。

何が見える訳でもなく、ただ「気」を感じていただけですが…。

ちょっと怖さを感じていたけど、
危害を加えられる怖さでは無かったように思います。


ツーリング時に荒れた古民家や手入れの行き届いた古民家を見かけて、ふと子供の頃に感じた「気」を思い出しました。

古い物を大切にする暮らし
丁寧に暮らすこと

そんな事が出来たらいいなと思いながらまた、
新しいお話しが出来ました。

官能的な部分は少ないお話しですが
丁寧に暮らすという事を考えながら書けたらいいなと思っています。


長々と日記を読んで下さりありがとうございました。



[作成日]2015-02-10
256拍手

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