第1回 官能小説コンテスト ノミネート作品
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ノミネート嫌いな男作者 ZENZO寝取り・寝取られ「感じている女を犯す方が気持ちいい」粗野な男の繊細な愛撫に焦らされて溢れるのは、屈辱の涙か快楽の雫か
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真咲南朋先生
厳つくて野蛮でゴリラっぽいのがメイン男優(強羅)なのか・・・と最初は不安に思っていました。(私自身が中性的な女っぽい男が好みのため)しかし、読むにつれて強羅くんが好きになってしまう不思議な作品でしたね。わりと感情移入しやすくてところどころヤキモキさせてくれるところが◎でした。 -
神田つばき先生
章から章へ視点を移動させ読者をグイグイ引き込む、ドラマAVの脚本として使える小説である。特に第八章、優れたAVドラマにはこういう冷ましの章が必ず入っている。ヤリまくりの荒唐無稽な話になることを回避でき、リアリティが出てくる。男の可愛さとまでは言わないが、弱いところや情けないところを滲ませているのがいい。容貌や体つきの描写だけでは性描写はカラ回りするが、悩みや強がりや意外な純情まで描かれた本作にはエロスを感じた。第十四章、翔子と田中雪を交換するくだりにもう少し説得力があると、さらに強いストーリーになったと思う。何度も読みたいと思ったのは、この作品であった。 -
深谷陽先生
場面場面の描写だけでなく章単位の構成も練られていて
達者だなぁと感じました。
内面の葛藤がどれだけあるにしろ、女性をレイプ出来てしまう男
少女を買って楽しめてしまう援交オヤジ
相手の人格を尊重出来ないロリコン、
タイトルに偽り無く、ろくでもない男ばかり出て来ますね(笑)
ただ物語中、レイプ男や援交オヤジを
いささかキレイに扱い過ぎている気がしました。
フィクションに対して無粋かもしれませんが
そんな無粋を忘れさせて
最低な男(女)にでも共感させられてしまうほどの次回作を期待します。 -
大泉りか先生
文中に張られた伏線がきちんと回収され、また、ご都合主義になりそうな設定も、筆力があるので気にならない。テンポもよく、すいすいと引き込まれるように最後まで読んでしまいました。貞淑で健気なヒロインと、やんちゃな女子高生の娘、また、強羅という、ヒロインの『嫌いな男』の立ち振る舞いが、説明書きではなく、セリフや行動などできちんと描かれている。構成力・筆力・エピソードを作る上手さなど、実力のある作家さんだと思います。 -
渋谷さえら先生
好き嫌いがはっきり分かれる作品だと思った。梨花ちゃんがかわいい。
憎たらしくあるべきポジションのキャラクターをとことんまで憎たらしく描けるのはすごい。ちなみに私は強羅が好きになれませんでした。ごめんなさい…
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ノミネート混沌の館作者 向井 狸不倫・禁断の恋アラフィーのオヤジが出会い系サイトで不倫に落ちて・・・
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真咲南朋先生
冴えない男が女達を吟味している!!実に男性的目線でわかり易かったです。
まるで週刊誌やエロ本とかの体験記事を読んでいる気分でした。
それぞれの女たちにリアリティがあったと思いますし、男同士で女のことを話す時ってきっとこんなかんじなんだろうなあ、と感じました。 -
神田つばき先生
射精し終わった直後のペニスから、強引に残精を吸い出されることに快感があることなど、男性の口からはなかなか聞かれない具体的な感覚について書かれているのが新鮮で、大へん面白く読ませていただいた。身勝手なのは男の人格ではなく生理なのだな、と苦笑するところもあった。私たち女は、「男性は女の快感について知ろうとしない」と言いがちだけれども、女性の側も男性の快感を詳しく知っているかと言うと、まだまだであろう。作者はぜひ、男性の快感の具体的な描写を持ち味として、どんどん書いてほしい。女性の描写もステロタイプではなく生々しいエロスが感じられてよかった。 -
深谷陽先生
これも、80年代少年漫画ラブコメの
「ぱっとしない主人公が何故か美女を取っ替え引っ替え」パターンを思い出しました。
あの世界に憧れたかつての少年がおっさんになって
ある程度の収入と現代的ツールを手に入れ夢を実現して行くような。
でも二次元的な夢の美女達と違い、
本作の女性達は生々しさがありプレイ内容もリアルで
実録風俗物感覚で楽しめました。
ラスト、それでも「優しき運命の美女」と巡り会ってしまうあたり
男は結局ファンタジーから抜け出せないのかな…。 -
大泉りか先生
こちらも『リアル系ケータイ小説』に入るのでしょうか。どちらかといえば、出会い系の体験ルポタージュのようで、『出会い系にはこんな女性が来るのか……』ととても勉強になりました。ただ、官能として読む場合は、やはり醜悪なセックスは凌辱以外は”実用”にしにくいので、あくまでもアクセント程度でよかったかもしれません。が、それはあくまでも”実用”として考えた場合で、この作品の目的が『出会い系に集う様々な女性』を描くことであれば、それは成功していると思います。 -
渋谷さえら先生
エントリー作品の中で一番ベタな「THE官能小説」。オムニバスかと思いきや所々話が繋がっていて話の構成がとても魅力的だった。窓際族の自分を棚にあげてちゃっかり女性を値踏みするあたりが男性の傲慢さをリアルに描いていて良かった。
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ノミネート夏の終わりに作者 ありの恋愛・純愛兄妹のように育った二人の物語
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真咲南朋先生
純愛ですねえ。もどかしさがすっごい!
出てくる景色がとても懐かしく感じて勝手に祖母の田舎のイメージで読んでいました。
これは自分を主人公に置き換えて楽しむというよりも2人の恋愛をしっかりと見守りたくなるような不思議な作品。良い意味でエロい目で見れなかったです。 -
神田つばき先生
初めて結ばれるまでの時間、未遂に終わった過去のセックス、そしてその罪悪感に男のほうが深く傷ついておびえている―というストーリーは誰も書いていないのではないだろうか。それでいて性描写もしっかりして、激しいだけが官能小説ではないと気づかせてくれた貴重な作品だ。この描き方は誰にも真似ができないと思うので、今後もぜひ続けていただきたい。女性が帰省して幼馴染みと関係を結ぶ展開が好きで、たまにAVドラマでも書くのだけれど、この作品の丁寧で清々しい筆致にうなってしまった。近いうちに時間を作って田舎を散策し、私もまた書いてみたくなった。 -
深谷陽先生
美しい作品ですね。
性描写もおざなりではなく、でも繊細でもどかしく優しく、
夏の陽射しを受けながら読み進める感覚でいました。
はやくはやく…でも辿り着くのが怖い…「焦らし派」作品の成功例でしょうか。 -
大泉りか先生
純愛作品ですが、セックス描写もとても上手に書けていて、その部分に於いては”官能”といってもいい作品だと思います。主人公たちのじれったい心情描写がこの作品の肝だと思うのですが、わたしは少し長すぎるようにも思えました。ただ、今回、全体を読んで、ケータイ小説を読む読者の方々はこういった”ヤキモキ感”を楽しむ方が多いような印象も受けたので、その点に於いては、あえてこういう作風にされているのかな、とも思いました。また、花火の音と代わる代わるにセリフが入るシーンが美しく、とても素敵だなと思いました。 -
渋谷さえら先生
くっつくのかくっつかないのか二人の微妙な距離感が見ていてもどかしいんだけどそこがまた胸がキュンとする良いスパイスになっている。雰囲気に任せて話を持っていっている節があり、所々物語がぼやけて感じる部分があった。
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ノミネートサディスティック・マリッジ作者 広竹 みぃSM・調教・陵辱大学を卒業し、大手企業に就職した愛里咲。そこで、高校時代に付き合っていた琉と再会する。
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真咲南朋先生
官能小説というよりも少女漫画的要素が詰まっていました。琉は興奮できる良いキャラですが主人公の愛里咲にもうちょっと工夫が欲しかったかな。タイトルのインパクトがあるし、独占欲とか嫉妬とかそういうものは大好物なのでもっとこちらの度肝を抜くようなシチュエーションをいれてくれたら更に良いかも。 -
神田つばき先生
第二章までは凌辱系として予測できる範囲のお話だったが、第三章のいきなりの4P未遂は新鮮で面白かった。見せつけ・見せられ・寝盗られての綾が面白いし、「自身のプライドを押し付け」等、官能シーンの描写に優れた表現が多かった。「自分に対しては人でなしで、対外的には庇護者」というM女性が好むS男性像、SM関係でも愛の告白がほしい女の切実さ、怖いしガマンしているだけなのに気づいたら濡れていて……という描写も自然。逆に地の文には体言止めや急いだ書き方が多いのは、せっかくの書く力がちょっともったいない気がした。ラストのマリッジブルーのくだりは素晴らしい。 -
深谷陽先生
個人的に、官能的シーンの「そそられ度」では一番だったかもしれません。
ただ携帯小説としての区切り方で読む分には引っかかりが少ないのかもしれませんが
まとめて読むと、時間経過や場面転換の描写が多少心もとない気はしました。
散々好き放題やり倒しておきながら、
最終的にキレイに収まるというかいっそ爽やかなハッピーエンド、
最後の里中との対決はどうせならもっとこじれてもよかったのでは。 -
大泉りか先生
こちらも非常によくできた作品だと思いました。カテゴリーは『凌辱系』となっていますが、どちらかといえば、女性向け官能ノベルでいう『俺様ドS系』。ヒーローもカッコイイですし、ヒロインも親しみやすい。話もテンポよく、エッチのシチュエーションやプレイも女性の萌えるポイントをついていると思いました。ヒロインの元彼が出てきすぎでちょっとビッチ感が出てしまったのがちょっと残念だったかもしれません。 -
渋谷さえら先生
お局様のインパクトがすごかった。ここまであからさまで強烈なキャラクターを描けるのは才能だと思う。最後にもう少し琉と愛里咲がお互いの気持ちをぶつけ合うシーンが見たかった。
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ノミネート完熟の森作者 キミイ恋愛・純愛男子高校生と年上女性との愛
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真咲南朋先生
とにかく文章が美しい。情景がすぐに浮かぶので自然とページをめくってしまいます。言葉が誌的でリズムが良いんですよね、きっと。
これまた映像化したら人気出るのでは・・・と思ったのですが、それよりも作者さんの天才的な言葉選びの中で自分の景色を想像(創造)し、楽しませていただく方が逆に幸せなのかもしれませんね。
清々しい作品をありがとうございました。 -
神田つばき先生
小説らしい小説、紙の本でも読みたい作品だった。文字だけで音や匂いや温度を伝える力があり、雫がややアルコールに依存ぎみなのも話をリアルにしているし、元カノが主人公に縛られた快楽を忘れられずにいるところ、高校生同士の恋の鞘当てなども面白かったし、官能シーンにバラエティがあって読みごたえを感じた。濡れ場がうまい作家さんなので欲張りな注文をさせていただくと、雫の不倫相手を見てしまった衝撃をその後の性行為の中で活かしてほしかった。少年なりの嫉妬や寝盗られ感覚、わざと大人っぽく振る舞おうとして背伸びした性行為をしてしまう……などを読んでみたかったので。 -
深谷陽先生
少年が森で出会う謎めいた大人の女性、
美しい物語で、非常に惹かれるテーマではあるのですが
その出会いに至るまでの主人公の少年らしからぬ性生活の充実っぷりに
今一つ感情移入出来ませんでした…個人的な問題かもしれません(笑)
結末、
主人公が彼女の元に戻り寄り添い、彼女が目覚める前に章が閉じられる所が好きです。
でも彼女の隠された真意を知る経緯は、もう少し何か工夫出来たのではないかと思ってしまいます。 -
大泉りか先生
モラトリアム期の少年の感情が丁寧に書き込まれており、主人公の成長や心の模様が伝わってきました。”森”を舞台にしたところも、この少年の語り口の雰囲気とぴったりあっていてよかったと思います。これも官能というよりは、愛の物語ですね。 -
渋谷さえら先生
風景描写がうまい。読んでいて森の香りがしてきそうだった。
現実ではおおよそあり得ないロケーションだが、その中で繰り広げられる物語と主人公の青さが絶妙にマッチしていて夢と現の境が判らなくなる様な雰囲気が素敵。
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官能小説コンテスト
大人の恋愛小説コンテスト