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大学卒業後、就職。25歳で職場の上司だった一回り上の37歳だった健司と「できちゃった婚」した茉莉子。

結婚して20年。生んだ四人の子供たちは、20歳の長男、19歳の次男は九州と関西の国立大学へ進学。

17歳の息子と15歳の息子は、北海道の中高一貫校の寮に。

同居していた舅は7年前に他界。姑は85歳で健在だが、5年前から施設で生活している。

夫婦二人だけの時間が訪れるかに思えた矢先、57歳になった健司が定年再雇用で、関連会社に出向で、誰も行きたがらないが、給与は維持される離島へ単身赴任が決まった。

茉莉子も9年前の36歳からパートで働き始め、仕事にも慣れてきて、正社員に登用され、家計の足しに十分になっていた。

しかし、その結果、家族がバラバラに日本国中に散った形の武藤家。