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あの子のとりこ
第5章 嫉妬
さっきまで反り上がっていた幹は、マリエの手の中でへなりと萎えていた。
「な…なんで?!」
もう一度口に含み、いやらしい手付きでしごいても頭をもたげたままで、戻る様子がない。
今までにベッドを共にしてきた男で、かつて自分の手技で萎えた男はいただろうか…マリエの顔からは余裕の笑みが消えていた。
「…残念でしたね。貴女では僕は勃たない」
眩暈でふらつく身体を起こしながら、乱れた服を直す。
「待ちなさい!私に恥をかかせて…」
「ストップ!」
恭一が部屋へ入るときに、こっそり忍びこんで隠れていた榎本が止めに入ってきた。
「もういい加減にやめましょう、マリエさん」
「なにしに来たの?!」
「あくまで教師の貴女が合法ドラックを使ってる事がバレたらお父様もマスコミに晒されると思いますが…いいんですか?」
榎本の手には透明なビニール袋に入った青い錠剤をひらひらさせていた。恭一に集中している間にクローゼットのバックから取ったものだ。
「あ……」
「この事をばらされたくないなら、佐野の事は放っておいてください。彼女に何か害が及ぶなら僕は許しません」
ヨロヨロと立ち上がる恭一を榎本が支える様に手を貸す。
目を伏せたまま放心状態のマリエは一言も発さぬまま、座り込んでいた。