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あの子のとりこ
第6章 誤解
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「恭ちゃんのバカ…」
突然1人置いてけぼりにされたナナミは眠れずに恭一のベッドにうずくまっていた。
(まだ帰ってこない…今頃あの女の人と…?)
ありえない大丈夫と心の中では思ってるものの、モヤモヤと妄想が頭の中を駆け巡る。
(小さい頃は優しい大好きな兄としてしか見てなかった。よく考えたら今の恭ちゃんの事…知らない事だらけだなぁ)
ピンポーンー…
「恭ちゃん!」
急ぎインターホンのカメラをのぞくと、そこには保健教諭の榎本が立っている。
「榎本先生!?」
「佐野!開けてくれ!恭一連れてきたんだ」
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「え!恭ちゃんと友達…」
「あぁ、屋上で話した時、黙っててすまなかったな」
ベッドに寝かせて、脈を時計ではかりながら答える。恭一の口からは少し呼吸が苦しそうな音が聞こえている。
「恭一から内容は聞いた?」
「いいえ…」
首を横に振りながら、心配そうな顔をするナナミに榎本が話し始めた。
「実は白鳥学園の理事の娘との見合い話しを断ってたんだが、相手がなかなか諦めなくてね。マンションに来た時に佐野とあったろ?
女の勘ってやつかな、人を雇って身辺調査させたらしいんだ。」
「…まさか、それで恭ちゃん…」
「恭一は自分の事より、佐野を守りたかったんだよ。」
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