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あの子のとりこ
第6章 誤解
恭一side


「1人で買い物」がショックなワケじゃないけど、秦野と並ぶナナミを見てると、高校生同士が等身大のカップルに見えていた。

ナナミとは10歳も年が離れている。どう見たって周りからみれば、保護者だろう。



「まだ頭がガンガンするな…」

湯がたっぷり入ったバスタブに浸かりながら、モヤモヤと考えを巡らせていた。


ガラッー…

「な、ナナミ?!」


「一緒に入ってもいい?」


「…先に出るよ」


「恭ちゃん、さっき入ったばっかりじゃん!」

「…うん」

突然に入って来たナナミに恭一は心臓が早鐘を打つ。


「恭ちゃん、こっち向かないの?」


「後ろ向いてるから、ナナミが恥ずかしいだろ!」


背中をむけてる恭一の耳は真っ赤に赤く染まっていた。

パチャン…

バスタブの湯が波打ち、背中に柔らかな感触が触れる。



「ナナミ?!」



「……恭ちゃん、携帯ありがとう。」

「…うん」

身体は正直だ。頭で理性が湧き上がる欲望と闘っている。


「…アパートの時も、あたしの事を守ってくれた事も…」

「うん…」


「恭ちゃんの事が好き…」



その言葉に振り向くと、真っ赤な顔をしながらナナミは潤んだ瞳で見つめ返す。

「…好き…大好き」



気づけば貪る様に唇を奪っていた。
舌は歯列をゆっくりなぞりながら、くちゅくちゅと深い水音をたてている。

以前は一方的だった恭一の舌を受け入れる様に、たどたどしく舌を絡める。


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