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ご主人様=ドSせんせい
第50章 勇気☆逃げない二人
二人の間に静かな時間が過ぎていく。
抱き締めてくれる星夜さんの胸の鼓動を感じながら、私はずっと考えていた。
このまま逃げる事が出来たとしても、何も変わらない。
せっかく二人の事を認めてもらおうと、決意してここへ来たのに、このままでは、何の意味もなくなってしまう。
むしろ、今までよりも星夜さんのお父さんとの関係は、悪くなってしまうに違いない。
もう、逃げるのはやめにしなくちゃ。
星夜さんの腕に抱かれたまま、私は静かに口を開いた。
「星夜さん…?」
「ん?なんだ?どうした?」
優しく答えてくれた星夜さんが、私の体を離して顔を覗きこんできた。
その瞳はいつもと変わらず優しい。
私の事を心配してくれているのがよくわかる。
「なんだ?怖くなったか?」
温かくて大きな手が私の頬に触れる。
そんな星夜さんの手に自分の手を重ねて、私は星夜さんを真っ直ぐみつめた。