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第53章 修復☆それぞれの形

｢ありがとう。時間はかかるかもしれないが、少しずつ関係を修復しようか。」

｢パパ。ありがとう。」


あんなに酷い扱いをしていたのに、琉亜は私を必要としてくれていた。

本心ではないかもしれないが、今は素直に受け止めよう。

自分を必要と思ってくれる人がいる。

しばらくぶりに、温かい何かを胸に感じていた。


｢琉亜、今日はもう自分の部屋に行きなさい。私はお客様達を帰してくるから。」

｢はい。パパ、おやすみなさい。」

｢あぁ、おやすみ。では、私は失礼するよ。」

｢榊原さん！またお会いしましょう。星夜さんと一緒に。」

｢親父、またな。」


私は振り返らず、無言で手をあげて部屋を出た。

人はすぐには変われない。

でも、少しずつ変わってみよう。

そんな気持ちにあの娘がしてくれた。

ありがとう…