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ご主人様=ドSせんせい
第54章 帰還☆二人の時間
「愛音…何も出来なくてごめんな。」
「星夜さん…。」
怖かった。
本当は不安だった。
でも、頑張って良かった。
星夜さんが、強く強く抱き締めてくれる。
いつも、私を愛してくれる温かい場所。
「アツアツのとこ申し訳ないんだけどさ。私も居る事、忘れてない?」
私達の様子を見ていた琉亜さんが、溜め息混じりに言った。
「あっ…ごめんなさい。」
「今回の事、謝らないわよ。」
琉亜さんが、そう言ってプイッとそっぽを向く。
何だか彼女らしいな。
そう思っていると、琉亜さんが私の頭にポンと手を置いて静かに言った。
「……ありがとう…。」
「えっ?」
突然の言葉に驚いていると、恥ずかしそうに立ち上がり琉亜さんが、微笑んだ。
「もう言わないわよ。じゃあね、また学校でね!兄さんも愛音の事、学校でばれないように、気を付けてね!」
「琉亜さん、ありがとう。またね!」
琉亜さんは、今まで見せた事のない笑顔で、私達に手を振って部屋を出て行った。