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第1章 放課後

高校2年生を迎えた4月





時計が午後3時過ぎを指す頃



風が少し強く吹くと

私の黒い髪と制服のスカートが

ひらりとはためいて、

上からは綺麗な桜が舞い散る





｢よし、着いた｣


私はとある店の前に立ち止まる



"Dear"と書かれたお洒落な看板を見て

間違いがないことを確認して

大きく深呼吸をする





ーーーすぅ…はあ……



そして意を決して

その店のガラス扉の取っ手を握ると

"押"のひと文字に従って強く押す