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Dear
第1章 放課後
扉を動かすと、カランカラン…という
小気味よい音が聞こえて、
店に入ると小麦とバターの匂いがして、
視界には色とりどりたくさんの
美味しそうなパンが並ぶ
入ってすぐ右手にあるカウンターに居る
優しい笑顔のおばさんと目が合う
私はその見覚えのある顔に
笑顔で挨拶をした
「おはようございます、ナツのお母さん」
「あら、待ってたわよ蘭ちゃん」
そう言うとナツのお母さんは
カウンターから出て、
私のところまで回ってくると
満面の笑みで私の手を握る
「今日からアルバイト、よろしくね」
このアルバイトがきっかけに
私の恋は動き始めたのだったーー