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第27章 妄想と現実

妄想は妄想であり、偶像は偶像。人間関係は人と人との間にしか生じない。一方的ではいけない。私は妄想の中だけの存在だった人と、結ばれた。そして、まさかその人と結婚して一緒に親になるなんて、妄想すらしていなかった……。妄想し切れなかったぐらいに幸せな時間が、現実になっている。それはきっと、あのまま妄想だけでいいと諦めずに、妄想を現実にする一歩を踏み出すことができたから――。

そして欲求不満は、両想いになったって、結婚したって続く。光と触れ合っていない間はいつだって欲求不満なんだから。片想いも、いつまでも続く。片想いがふたり合わさって両想いになるのだから。互いの想いを、心ごと身体ごとぶつけ合う……、その尊さを、ずっと胸に、生きていくんだ。





――完――