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〇〇を教えて。。
第6章 イイのになかなか☆
『どうしたんだよ?』
理玖が眉間にシワを寄せる。

手が、
渚の肩に触れた。

『…………あなた………の、せいよ…………
っく、ひっ…………』
肩が震える。



『えっ、俺?!
何したっけ??』
理玖がテンパる。


渚は(今だけ、泣かせて)と誰かに許可を取るように理玖の胸に頭をコツンと当てて泣いた。




『………………………』
理玖は頭を掻いた。

女の涙にはちょっとだけ弱い。

流されることはないけれど、
バツが悪い。


胸にあるサラサラした黒い髪。


(……………えっと……………
抱けないし?)

宗一郎がいる。

仕事以外で女に手を出すのは裏切り行為になっちまう。

(……………えーと、
じゃあ……)


理玖は渚の背中を撫でた。



震えながら声をころして泣く渚をおちょくる気にはなれない。

せめてと思い、
背中を擦った。




『…………………俺のせい?』
気まずくなり訊ねる。



渚はしばらく震えていたが、
直ぐ泣き止む。


トンと理玖の胸を突き離し顔を上げた。


『____嘘よ(笑)
ちょっとね、下腹が痛かったのよ』
泣いたらスッキリした。ニコッと笑い、理玖を見据えた。

背中に張りついていた緊張感や葛藤が流れ落ちたような爽快感があった。


『はあ?!

っだよ、まじで心配したじゃん!!』
理玖が助手席に背中を凭(もた)せる。
『つか、
遥香でも泣くんだな?』
ホッとしたような理玖の声音。



『失礼ねぇ、私だって泣くわよ!
人間なんですからね』
クラウンを再び動かし、
車道に戻る。





『で、宗一郎知ってんの?
まさか手ぇ組んで何か企んでないよな?』

信号待ちで理玖が訊ねた。


『ああ、藤代さんは知ってるだけよ、私が一方的に。
彼は私を知らないわよ』


『ふうん?
何じゃそりゃ?
まぁ、宗一郎が告げ口したとか遥香と組んでるわけじゃないよな?』


信号が青になる。


『それは無いわ。
____大学が同じだっただけ。私は2年の途中で辞めたのよ』



『ぇへぇ??!
そうなんだ?
まじか…………
遥香頭良いってコトだな……………』





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