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奈落の向こう側
第20章 弥生編・プロローグ
弥「組織を恨んだことは
無かったのですか?」

私「最初のころは恨みました。
そして、何としても妻を見つけ出して
救い出そうと試みましたが、
何の手掛かりもなく私一人では
どうすることもできませんでした。
そして、私が行動することで
更なる悪い結果が訪れるのでは
ないだろうかと考えて、ひたすら
妻の帰りを待ちました」

弥「ビデオとかは
ご覧になっていたんでしょう?」

私「はい、1,2か月に一度、
送られてくるCDに妻の姿態が
映っていました。初めは憤りを
感じましたがそのうち妻も私も
その時の状況を受け入れて
私はCDが送られてくることを
心待ちにしていました。
私が住まいを離れず何事もなく
CDを見続けてさえいれば妻は必ず
帰ってくると信じていました」

この時、弥生さんが私を
キューっと絞めつけてきました。
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