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奈落の向こう側
第21章 ここに連れて来られた日からの記憶
話を逸らしました。

弥「お名前は?」

男「いや~、失敬。ゴンです。
みんなからそう呼ばれています。
あなたもそう呼んでください」

弥「ゴンさん、ですね」

名前を呼ぶとルックスには似合わない
無邪気な顔で笑いました。

とても穏やかで優しげな笑顔に
私の心は溶かされました。

ゴ「やっと表情が柔らかくなったね」

自分でも朗らかな顔になっているのを
感じました。

ゴンさんは見れば見るほど
愛嬌のある顔です。

確かに醜男ですが
だんだんと引き寄せられるように
ゴンさんに魅了され始めている
自分を感じました。

ゴンさんは立ち上がって
私の後ろに回り込んで
抱きしめてくれました。
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