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変心
第7章 変心
何をしていてもあの男の事が頭に浮かんだ。

オナニーやセックスの時だけではなく、家事や買い物の最中まで考えている。

夫の好きな料理や服装を考えていたはずなのに、いつしか知らないはずの男の好みを妄想して嬉しくなってしまう。

そんな自分に気づき、嫌悪感でトイレに向かって吐くこともしばしば。

しかしその嫌悪感さえ減ってきてしまっていた。

「なんなのよ!!!」

あの男に犯されるのを妄想してバイブを動かす。

そんな自分が嫌で嫌でしょうがないのに、夫とのセックスよりもあの男との妄想オナニーの方が深い快感を得てしまうのだ。

助けてあなた・・・。

しかし夫は先日から不能になっていた。

高まった性欲が発散出来ずに暴走しかけている。

助けを求めるべき存在の夫に失望の感情が芽生えてしまい、反対にあの男への期待が大きくなる。

その期待はどんどん大きくなっていた。

だからこそ、こんなわかりやすい誘いに乗ってしまっていた。

『この服をプレゼントします。これに着替えたあなたとを〇〇という喫茶店で明日10時にお待ちしています。あなたの悩みを解決してあげますよ』

ポストにあの男からのこんな手紙入りの紙袋が入っていた。

紙袋の中にはパンプスとブラウンの薄手のニットセーターと黒のスリット入りタイトスカート。

身体のラインはかなり強調されるがいつも着ているものと大差はない。

大丈夫。私は夫の事を愛してる。愛してる。



男に会った時に何があるのかを想像してしまい、愛してると何度も呟かなければならない程心が夫から離れていっている事に私は気付く事ができなかった。
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