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ディスタンス
第4章 最初で最後の?別れ話
匠にそのことを相談しようと思って、あたしはベッドで匠の帰りを待っていた。


その日は、なかなか匠は帰ってこなくて、深夜2時を回ったころ、玄関のドアが静かに開く音が聞こえた。


あたしは寝たふりをしていると、なにやらヒソヒソと声がして、あたしは気配を感じようと神経を集中させた。


すると、部屋に見知らぬ男女が入ってきて、あたしに銃をつきつけてきた




気づくのが、遅すぎたんだ。





男があたしにクロロホルムを染み込ませたハンカチであたしの口元を押さえて、さすがのあたしもそんな薬に太刀打ちできない。

意識が朦朧としていると、奴らの背後から匠が現れた。

「俺んちで何やってんだ?誰だ、お前ら」

匠がスペイン語でそう言って侵入者の2人を凄むように睨みつけると、あたしは薄れゆく意識の中で、うっすらと目を開けて、現れた匠を見た。匠はそんなあたしを見て、銃を2人に突きつけた。

あとはよくわからない。

匠たちの会話がスペイン語だったこと。

あたしはクロロホルムを深く嗅いでしまったせいか意識が遠のいていくと、匠は2人を追い返し、あたしに駆け寄ってきて頬を何回も叩いた。

「おい!大丈夫か?聞こえてるか?瑠生」

「う…ん…。クロロホルム…かな」

「そういう薬には普段から慣れさせておく必要がある。って、前にも言ったろ⁈一々倒れてらんないぞ」

「無茶…言わないで…」
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