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第9章 海

気がつけば私は家のベッドにいた。

時刻は6:30

（ん……？6:30？）

朝だということはカーテンから漏れる光でなんとなくわかった。

昨日、再び寝てしまったところまでの記憶はあるのだがそれ以降の記憶がない。

（送ってくれたのかな……）

そんなことを長々と考えていると下の階から声が聞こえた。

「麗奈ー！なにしてんのー？遅刻するよ！」

（そっか……学校……行かなきゃ……）

昨日の優の件があり行きづらいがそんなことを母親に言えるわけもない。

全体的に体が重いような気もしたが、これから仕事の母親に心配をかけたくもない。

（はぁ…………準備しなきゃ）

麗奈はゆっくりと準備をし始めた。

〜学校〜

「れーな！おはよ！」

「ん……おはよう……」

「どーしたのさ？元気ないじゃん？」

（あ、やばっ……）

「そ、そんなことないよっ！」

麗奈は精一杯の作り笑いを作った。

「そう？ならいいんだけど……」

それからしばらくしてチャイムが鳴った。

「んー？野崎は欠席かー？」

「えー、優が休みなんて珍しくない？」

みんながそのような会話を始め、ザワザワし始めた時……。

ｶﾞﾗｯ

「野崎ー、遅刻だぞー」

優が入ってきた。

「あー、寝坊しました……ｻｰｾﾝ」

「なんだその謝り方はー、ちゃんと謝れー」

教師は棒読みでそう言った。

（顔……合わせづらい……）

麗奈はその日、ずっと優を避けた。

〜放課後〜

「れーな！今日はバイトの日だよね？今日は私何もないし咲斗と一緒に行くよー？」

「あ…、うん…ありがとう……」

「どーしたんだよー。今日変だぜ？」

「ほんとほんとー！」

「ごめん……なんでもないから……」

私はそそくさとその場を後にした。

（バイト……休んでいいって言われたけど……）

仕事は仕事だ。私情で休むわけにはいかない。

麗奈はカフェへ……マスターの元へ向かった。