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adult love 〜大人の恋〜
第4章 2人きり
カランコロン

「いらっしゃいませ……あ、この間の面白い子たちだね(笑)また来てくれて嬉しいよ」

マスターさんは満面の笑みで迎えてくれた。

「いえいえ!こちらこそ!覚えていてくれてありがとうございます!」

「ははっ、とても印象的だったからね。よく覚えているよ(笑)」

「そんなに目立ってました……?」

「さぁ、どうだろうね。目立ってたかどうかはわからないな(笑)まぁ、元々この店にお客さんが少ないからね」

確かに、今も私達以外1人もいない……。

「どうしてだろう……」

「まぁ、場所が場所だからじゃないかな?」

どうやら考えてたことが口に出てたようだ。

「あっ、えっと、ごめんなさい……」

「謝る必要は無いさ。事実だしね(笑)」

マスターさんは苦笑しながらそう言った。

「今日は何にするかい?」

「うーん……」

「あっ!パンケーキ美味しそう!」

「ホントだ!」

「じゃあダージリンとパンケーキひとつください!」

「私も同じのお願いします!」

「かしこまりました」

でも、ほんとにいいお店なのに……。なんか勿体ないな……。

私はそう思った。

でも……心の隅っこでは……あまり知られたくないと、思っていたのだと思う……。

「あっ……やべ……」

「ん?どうしたの?」

「今日用事あったんだ……」

「え!?大丈夫なの!?」

「んー、やばいかも」

「えぇ!?」

「ごめん!先帰る!」

「えっ!?ちょっと!?」

ど、どうしよう……パンケーキ頼んじゃった……

「大丈夫かい?」

「あっ、友達……帰っちゃって……」

「ああ、それは困ったな……。」

マスターさんの手には二つのパンケーキの皿が……。

「ごめんなさい……」

「謝ることはないさ。大丈夫だよ」

マスターはニッコリと笑ってくれた。

「そうだ、一緒に食べてもいいかい?」

「えっ!?」

「いや、嫌ならいいんだよ。無理言ってしまってごめんね」

「あっ、嫌……ではないです…」

「よかった!ありがとう。せっかく作ったのに勿体ないからね……失礼していいかい?」

マスターさんはそう言いながら向かい側に座った。

「どっ、どうぞ……」

「はは、緊張してるのかい?」

笑いながら問いかけてきた。

「は、はい……」
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