この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
影に抱かれて
第9章 待ち受けるもの

「おおよその事情は今朝、奥様からうかがっておる。……奥様へのご挨拶は明日の朝にして今夜はもう休むのじゃ」

「はい。でも、あの、ジャン……」

「……疲れているじゃろう。客間を用意しておるから。ほら、早く……」

リュヌの質問を遮るようにジャンが言う。

リュヌが、何を置いてもまずジュールに会いたい筈だということにジャンが気付かない訳がない。しかしジャンは敢えてその名前を避けているかの様で、先を急がせるその態度は明らかに不自然だった。

「あの……僕、ジュールのことが心配で……ジュールは部屋にいますか?」

ジュールとの関係のせいで屋敷を出された自分が、こんなことを望んでいいのか分からない。でも、夫人が呼び戻してくれたのだし……この気持ちを、ジャンなら分かってくれるのではないかとも思う。

しかし、ジャンは厳しい表情を浮かべたままだった。

「旦那様が亡くなったことは知っておるな? この屋敷の全てが……変わってしまったのだ。出て行った使用人も多いし、奥様も心労から臥せっておられる状態じゃ」

使用人が離れた……と聞いて、リュヌは納得したことがひとつあった。門の内部に入ってから思っていたことだが、庭全体が非常に荒れているのだ。とても普通の状態ではない。

/183ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ