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*。:゚+ 小鳥遊 医局長の恋+゚*。:゚
第19章 円満三角関係
 ふたりを送り出した後、何故か、小鳥遊はほっとした。心は少しざわついていたが、思っていた程でも無かった。

今泉は、乗りも良く看護師にも人気だ。仕事はきっちりとしていたが、
プライベートは派手で奔放で女遊びも激しいかと思いきや…違った。
病棟ごとに仲の良い看護師や、医師もいるようだったが、クールで整った顔に似合わず人懐こい性格なので、どこでも人気があった。

冬には言ってないが、小鳥遊が知っているだけで、既に4人の看護師が今泉に振られている。一度振っている所を目撃してしまったのだが、断り方もとても丁寧で、あれではしつこく付き纏われるかも知れないと他人事ながら心配になった。

最初のうちは、冬が何故あんなちゃらちゃらしたような男を好きになったのか、判らなかったが、それは表面上の事だけだった。

今泉はずっと以前から冬を知っていたのだ。そしてそれが決定的になったと思った時の事を今泉が話した。小鳥遊自身ももその時の事は、よく覚えていた。

それは、執刀医が小鳥遊で、麻酔科医が今泉の時だった。新人オペ室ナースが独りで初めての申し送りをしたが、緊張で泣いてしまった。先輩オペ室ナースが怒鳴りつけた。

「もうあなた良いわ!私が月性さんに送るからっ!」

静かに見ていた冬が新人に声を掛けた。

「いいのよ…患者さんの状態も落ち着いてるし、ゆっくり送ってくれても大丈夫よ。ほらそれに先生達もそこにいるから♪緊張してても時間が掛かっても良いからあなたが送って下さい。」

冬は今泉がマスクをしていて判らなかったようだ。

「いい?もしもあなたが何か送り忘れたとしても、病棟看護師がちゃんと聞いて確認するから大丈夫。」

新人は緊張が少し溶けたようだった。

「最初から出来る人なんていないんだから、今日出来なかったことを明日一つだけ出来るように頑張る…で良いんじゃないかしら?」

そう言ってせかしもせずに、新人の送りを静かに聞いていた。

「どうもありがとう。あなたのオペ記録、字が綺麗で読みやすかったわ。先生達にも見習って欲しいわね。」

今泉をちらりとみて笑った。その時の小鳥遊は、冬が学生指導になって悶々としていた頃だ。

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