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*。:゚+ 小鳥遊 医局長の恋+゚*。:゚
第6章 遠い日の思い出
飛行機を乗り継ぎDCのホテルへ向かう。立地も良いし、兎に角部屋がゴージャスだった。冬は飛行機からラフな服装で、ホテルに入る時にも躊躇した。

「ここ泊ったことあるの?こんなたかそうなところ…。」

…結構高いんだろうな。私にも払えるかな。

冬は少し心配になった。海外には良く行くが、バックパッカー的な旅が多かったからだ。

「はい…随分前ですけれど…学会で。あなたは何も心配しなくて良いんです。」

小鳥遊は、慣れた手つきで荷解きをしていた。

「えー!学会って海外でもあるんですか?」

「はい…非常に稀ですが。慰安旅行みたいなものですね。」

小鳥遊は笑った。

部屋にはバラが飾られとても良い香りがした。お風呂を覗くと流石に小さくて、ふたりでは無理だった。

「ジェットラグが酷いので、今日はホテルで過ごします。」

そう言って小鳥遊はベッドに横になると5分もしないうちに寝息を立て始めた。休み前にオペ2件でそのまま当直…で明けで渡米した。

…流石の絶倫でも、肉体的に厳しいよね。

長く濃いまつ毛、高い鼻どちらかと云えばヨーロピアンな濃い顔立ちだ。唇は薄く、キスはいつもミントの味がした。髭は薄すぎずかといって剃り跡が気になるほど濃くも無い。暫く素敵な寝顔を眺めた。

…この寝顔。私だけのもの。

冬は寝ている小鳥遊の唇にそっとキスをした。夕飯までには帰りますとメモを残し,ひとりでホテルを出た。ホテルを出るとラッシュで車がノロノロ運転だった。

…そっか…こちらは新学期だ。

それにしてもDCの交通渋滞は東京よりも酷い。地図を見ないでブラブラするのも楽しかった。2時間ほどウィンドーショッピングや、ぶらぶらと街を見て歩き、部屋に帰ると小鳥遊は未だに夢の中だった。冬はシャワーを浴びてベッドの隣にそっと横になって、小鳥遊の素敵な寝顔を眺めつつ、明日の予定を考えていたが、冬もいつの間にか眠っていた。

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