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*。:゚+ 小鳥遊 医局長の恋+゚*。:゚
第6章 遠い日の思い出
いつもと変わらない朝。トースト、目玉焼きにカリカリベーコン、野菜ジュース。

「会社に顔を出さなくっちゃいけないの。帰って来るのは夜になるから、夜は好きなものを食べて。」

ジェスは冬の頬にキスをして慌ただしく出て行った。小鳥遊はここでも新聞を読んでいた。

「先生…後でモールにでもブラブラ行きませんか?」

冬は小鳥遊に声を掛けた。

「そうしましょう。」

新聞を読みながら小鳥遊は返事をした。

「新聞を読むのに、ここでは私は必要ないですね。」

冬はちょっと意地悪く笑った。

「そうですね。でも帰ったらすぐに必要になりますからお願いします。」

そう言って小鳥遊は微笑んだ。

「先生…私は先生の傍に居て良いんですよね?」

冬は唐突に聞いた。 小鳥遊は冬の質問の意図するところがわからず,一瞬考えた。

「ええ…あなたが居てくれないと僕は困ります。貴女が必要ですから。」

陽だまりの様に暖かな笑顔を冬に見せた。

「ごちそうさまっ。」
冬は席を立ち食べ終わった皿をシンクへと運んだ。Tシャツと短パン姿の冬の背中を眺めた。毛先が少し濡れているポニーテイルが歩くたびに揺れた。すらりと伸びた健康的な長い足。病院にいる時には、しっかりとして大人びた印象を受けるが、今は寧ろ、年齢よりもだいぶ若く愛くるしくて可愛い印象を受けた。

「そう。良かった♪」

カチャカチャと水音をさせながら食器を洗っている。

…休暇が終わればまた…忙しい現実に引き戻される。この冬の無邪気な顔も見れなくなる。

そう思うと、小鳥遊は寂しかった。
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