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第2章 兄妹格差

「胡桃」


目を閉じて、あの頃の思い出に浸っていると
少ししてからお兄ちゃんが口を開いた。


「お前、携帯止まってるんだけど」

「……へ？」

「昨日連絡したのに電話もメールも繋がらねぇからさ。
だからこうして生存確認しに来てやったんだよ」

「……あーーそうっすか……」


自動引き落としなのに、残額足りなくて止められるのこれで何回目だろう。
そろそろ電話会社のブラックリストに載るかもな。

も～～何度も思うけど色々ヤバイわ私。

っていうか
……それで今日突然来たってこと？


「相変わらず優しいねぇお兄ちゃん。
実家に電話すれば済むのにわざわざ…」

「んなわけあるか。冗談だって」

「え？」

「今日香とこっちで買い物するから、ついでに寄ってみただけ」

「………」

「まぁ、用事があるっちゃあるんだけど」


……はい？
一方的に会話を進められて、ちょっとイライラ。


「なに、用事って」

「お前、来週の金曜日ヒマ？」

「え？ 来週？」

「じゃあ空けといて。夜の７時から」