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第7章 惚れない理由が無い

オフィス街のド真ん中、両側に銀杏並木が連なる仲通り。
必死に逃げるTシャツ短パンの男は、後ろ姿からして推定20代半ば。

普段運動なんて全くしない女の私が、追い付くはずがないって分かっているけど……


「………！」


あ…れ！？

意外と走れてるんだけど。

なんだろう、足が軽い。
いや、足だけじゃなくて体が軽い。


「～～あ！！」


そっか、そうだよ！
弛んだお腹を凹ませる為に、この１週間集中してダイエットしたんだよ！

陽向と再会したから女を磨かないとって奮起したんだ。
こんなに早く結果が出るなんて、まだまだ捨てたもんじゃないな。


「……いける！！」


手を振って大股で足を動かすと、さらにスピードが出てきた。


～～めっちゃ速いじゃん私～～♡♡

なんかもう飛べそうなんだけど！
どこまでも行けそうなんだけど！

ふははは、すごいすごい最強じゃないか！！