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第12章 restart

煽る陽向によって、翔太の額に怒りマークが浮かぶ。


「陽向……てめぇも相変わらずだな。
腹立つ言い方しやがって」

「いやだってお前の嫁。
真正面から『ナイ』って言われたの、人生初だぜ俺」

「ざまあみろ。
世の中の女、全て落とせるとでも思ってんのか…」

「あわよくば奪えるかと思ったんだけど」

「…は？ふざけんな」


店員からひったくるように受け取ったビールを
盛大に一気飲みした翔太。


「渡さねぇよ」
「……！」
「盗られてたまるか」


女のことでは滅多に感情を表に出さない男が
珍し過ぎる鬼の形相で


「いいか、俺はな！」


飲み干したジョッキをテーブルに叩きつけた。


「大学から彰と陽向に挟まれて
これでもちったぁコンプレックスを抱いて生きてたんだよ！」

「「……！」」

「無駄にイケメンばかり登場する小説で！
弟の方がrankが上で！
どんだけ肩身狭い思いしてるか分かるか！」

「「………」」

「〜〜分っかんねぇだろうな！」


翔太の叫びに、咥えた煙草が落ちそうになる。


え？
なにソレ

ここにきて突然なんのカミングアウト？