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第3章 再会トラップ

「ずっと立ち仕事なんでしょ、頑張ってるね」

「いえいえそんな♡
大好きな洋服に囲まれてるから、楽しいです♪」


「君の会社行ったことあるよ。
移転前のビル、あれもうちが設計してたから」

「ほ、ほんとですか！ 運命感じちゃう…///」


「え、20連勤って……俺みたいじゃん。
そんなにハードなの、保母さんって」

「えぇ、そりゃあもう！
男に負けないくらい力仕事ですよ～！」



……他人が見たら、この合コンは大成功だなと誰もが思うだろう。


男側が高スペックなおかげで、会話はまったく途切れないし
スーツをビシッと着こなしてる彼らは、見てるだけで目の保養になるし。

なんかさー、いくら仕事が忙しいからって
この３人に彼女がいないとか考えられないんですけど。


……というか

そもそも飲み会が開催された意味。主旨。目的。

開始から暫く経った今になっても、私は1ミリだって理解出来ていない。



「……なぁにが、“ 妹に優しい ” よ」



オーガニックワインをドボドボ注ぎながら
自分の目の前の “ 空席 ” を眺めて、思わず独り言が漏れた。