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ハツコイ♥アゲイン
第3章 再会トラップ

「あ、ごめんね胡桃ちゃん。 それ貸して」


私の手酌にすぐ気付いた、旅行代理店の彼が
スマートにボトルを取り上げて、残りをグラスに注いでくれた。

私がじっと見つめる正面の空席。
同じく彼も隣りに視線を向ける。


「そういやまだ来ねぇな。始めてから結構時間経ったのに」

「……来る気あるんですかね、ここに座る人」

「はは、本当だよね」


笑った彼の腕時計の針は、8時を回っている。


……そう、残り1人がまだ来ていないのだ。
だから席の並びから見ても、完全に私だけ余ってる。

どうせ仕事が終わらないからなんだろうけど、1時間以上遅刻するってなんなの。
時間にルーズな男ってほんと無いわ。


「実はさ、俺も誰が来るか知らないんだよ」

「……え?」

「幹事も聞いてないって。知ってるのは彰だけ」

「………!」

「大学時代の仲間の1人らしいんだけどね。
当日の楽しみにしとけって言われて」


……なんですと?


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