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第15章 ハツコイ♥アゲイン

「陽向」


……は？

いや、まさか。
笑わせんな。

目だけじゃなく耳までおかしくなった…


「陽向！」


〜〜叫んだぞおい！
嘘だろ！？


「ほんとに陽向だ！」


太陽の色を、そのまま取り込んだような
鮮やかな服に身を包んで

瞬きした丸い目が、更に大きく見開いた。


「あのね、空港を出て直ぐにね
バルセロナで1番有名なところに連れてってください！って言ったの」

「……！」

「ポケットwi-fiと翻訳機のお陰で、色んな人とお話できて。
そんな探し方は無謀だって、タクシーのおじさんにも言われたんだけど」



その表情が、瞬く間に輝き始める。



「初めてなのに、どうしてかな。
連絡しなくても、きっと見つけられる気がしたの。
不思議とそう感じたんだよ」

「……っ」

「〜〜凄い！ 会えた！
陽向に会えたーー！」



両手を大きく上に伸ばして
眩しい程に、弾ける胡桃の笑顔


放心したまま動けないのに
熱い何かが込み上げてくる




── 逢いたいと

強く願ったのは確かだ


だけど

奇跡は

こんなにも身近に、起きるものなのか……？